COMPUTER & PHOTO CULTURE DIALY
PHOTO・ART・CAT・MUSIC・TRAVEL・VIDEO・INTERNET


2000年4月8日〜9日 あ〜〜〜〜
 尾根筋から見下ろすと、緑の増した山肌に混じって所々はげた斜面が見える。その下にはエメラルド色の小さな湖が見える。知り合いを含めて3名を乗せて、オリーブドラブのジムニーは湖に向かって下りていく。僕は後ろの座席に乗っているのだが、やがて車が草木の生えていない赤茶色のがけに差し掛かると、羊腸のようにくねったカーブを回るたびに前輪が宙を泳いでいる気がして冷や冷やする。最近よく夢を見るのだが、2日前にそんな色付きの夢を見たのが珍しかったので恵美子に話していた。だから、
「崖から落ちないように気を付けてね」
そう恵美子に言われた。伊藤さんの寝坊で予定より出発が遅れたので、しっかりと朝飯を食べた。7時10分に車は来て、律にも見送ってもらう。所沢インターまでは僕の案内で超裏道。
 計6名、東京週末倶楽部をのせたオデッセイは、まず最初に沢渡温泉に到着。山崎さんが調べておいた公衆浴場に200円ではいる。渋温泉の時のメンバーは、ちゃんとサンダルを持ってきている。こじんまりとしたなかなか奇麗なお風呂で、僕以外のメンバーは、ここで記念品を兼ねてタオルを買っていた。
 次なるは、以前から来たかった尻焼き温泉。川そのものが温泉で、近づくにつれて赤茶色になった河原が見える。駐車場にとめて歩くこと約300m。女性も水着で入っている。「水着で入らないこと」などと表示されているのに。正々堂々着替えて入るが、ぬるい。結構深くて子供だと背が立たない。どうりで浮き袋を使っている訳だ。城廉さんらしき人に聞いたら、水量が増えていて今日はぬるいのだという。一個所だけ屋根の着いた小さな風呂が有り、そこに入ってからあがる。そうじゃないと、寒くてたまらない。
 次なる温泉にむかう。上下1枚だけしか着ていない(パンツもはいていない)から、すぐに腹が冷えてくる。冷えてつらくなった頃に次の風呂。花敷温泉は、混浴だけれど誰も入っていないという使えない温泉。それでも高台風呂だというので500円はらって入る。高台だから景色が良いというわけではない。500円払っているからと内風呂にも入った。
 湯平温泉は吊り橋をわたるらしい。車窓から川向こうに温泉が見えるのだが、どうやっていくのかわからない。地元の人にきいて何とか到着。駐車場に車を停めてインターホンで話をすると、代表者だけフロントに来てもらい、他の人は途中の風呂に直行してよいという。約400メートル歩いて風呂に到着。先客が1人いる。目の前が川、その向うが崖、その上に道路が見えて、まるでスカートの下から覗いているようだ。「馴れたらただで入れるね」などと話していたら、先客の1人が誰もいない女風呂に逃げてしまった。きっと、ただ客だろう。
 帰りにゆっくりと吊り橋をわたるとき、ふと気が付いた。下に流れる川はエメラルド。崩れて草木の生えていない崖。そして吊り橋に向かうくねった道。夢の景色そのものだ。
 直ぐ側の食堂で昼食。3人はうどんで、栗山さんは岩魚丼。僕と高橋さんで、イノシシ・鹿の焼き肉を食べる。イノシシは豚系で鹿は牛系。どちらかといえばイノシシのほうが旨かった。後から地元の人が何人も入ってきた。正解だったようだ。
 満腹になったところで一路草津へ。ドライブの途中で何度も通過したことはあるが、泊るのは初めてだ。宿がなかなか見つからないので電話をしてみたら目の前にあった。飯島館はスキー客用の旅館らしいが、入ったとたんに杖を突いた白髪の老婆が2人出てきた。なるほど草津とはこういうところかと思う。
 宿の人に外湯の場所を聞いて直ぐに行動開始。宿で聞いた白旗湯は、かなり立派。人気もあって混んでいる。湯は熱く、それでも「あ〜〜〜」と声が出てしまう。考えてみたら、風呂に入る度に「あ〜〜〜」の言葉以外発していない。バスクリンかなんかのCMでもそう言うのがあったが、非常に実感。湯畑をぐるり回って、西の河原湯に向かう。草津温泉は湯畑を中心に店や宿があつまり、一番奥にある西の河原湯に向かう道には元気なお土産屋さんが続いている。特に自家製の商品を持っている店は積極的にサンプルを食べさせていて、その迫力は見ていて気持ちがよい。昔からの温泉で、ホテル内にお土産屋やスナックなどがないから、これほど熱気があるのではないか。
 日本一の湯船を歌うだけのことはあって、西の川原湯は見事な広さ。かなりの人数が入っているとは思うが、まばらに点在している程度。ゆったりと入って15分ほどででる。同じ通りを途中まで戻り、裏道を通っていたら小さな共同浴場があった。どうやら宿の人は観光客用の湯を教えてくれたらしく、18箇所あるというこういった小さな風呂は抜けていた。確かに普通の観光客ならそれで良いのかもしれないが、東京週末クラブは違う。すぐに入ったが、6人で湯船は一杯になった。同じ様な小さな湯を探して裏路地を歩く。小さな湯は共同浴場で、中に貼られた掲示物などは、地元の人への呼びかけが多い。
 朝から9湯を数えたところで宿に戻る。さすがにへとへとで寝ころびたかったが、5分で夕食。ビールと酒で1時間ほどかけたが、途中で寝転がりだした。部屋に戻って、6名中3名がすぐに眠った。まだ7時だよ。何とも健全な温泉旅行。テレビを1時間ほど見て、小林さんと僕でマッサージを呼ぶ。
「マッサージを頼みたいのですけれど」
「はい、男性でしょうか女性でしょうか?」
「でっかくて思い切り凝った男が2名ですから、力のある人をお願いします」
小林さんははっきりと言った。そうじゃないと、別の所をもみたがるマッサージの来る恐れがあるから。
 マッサージ師は視覚障害のある男性だった。こういう人が腕は一番期待がもてる。僕が先にもんでもらったが、「やせていたころは、ナイナイの岡村みたいな顔をしていた」と行ったとたんに吹き出した。岡村の顔がわかるわけでもないのだが、テレビの声や周りの話の人の状況から、自分なりのイメージを持っているのだろう。妙に感心した。小林さんが門でもらっているときに話をしたが、どうやら僕の方のこりは、昔のむち打ち症が原因になっている可能性が高いという。一生直らないと聞いてはいたが、改めて言われるとショック。ずっとこの肩こりをひきずるのか。
 マッサージが終わってから、夜の帝王高橋君を起こして街にくりだそうと思ったが、ぐったりしていて無理。何とも健全な温泉旅行になってしまった。

◆   ◆   ◆   ◆   ◆

 予想通り、山崎さんの声で起こされて朝食。終わってすぐ内湯に入る。スキー客用の宿だからさほど期待はしていなかったが、さすがに草津で大きな湯船だった。宿に車を預けて外湯巡りの続き。脇道を入ると地蔵湯はあって、隣に小さな源泉がある。草津の場合、中央の大きな源泉の他に、小さな源泉がいくつもあるらしい。そろそろ疲れてリタイヤするメンバーもある。地蔵湯から湯畑まで裏道を歩き、10時丁度に湯もみの店に入る。午後はショーだが午前中は体験。4名で中に入り、おばさんの指導で湯も身を体験する。5分ほど混ぜただけで汗ぐっしょり。本当は40分ぐらいかかるときいて、いささか驚いた。水でうめずにコンクの状態の風呂に入るための方法だったらしい。湯もみにも湯畑の周りにもアベックが多い。思ったより老人用温泉ではないらしい。
 ガラス細工が買いたいという高橋さんにつきあって、昨日とおったお土産通りを歩く。今日も饅頭をもらって、でも結局買ってしまった。草津最後の湯は凪の湯。昨日に続いて何度も「あ〜〜〜」を発した。
 草津を離れて、川原湯温泉へ。ここはダムの底にしずむ温泉だとかで、かなり裏の雰囲気。なぜか砂防ダムの下が駐車場で、近くの王湯に入る。露天風呂は川沿いに面しており、かなりの高さだから、ここが水没するとすれば巨大なダムだ。露天風呂に続いて内湯も入る。王湯をでて300mほど歩いて、尾根筋の上の露天風呂に入る。ぬるめのお湯だったが、やはり入って「あ〜〜〜」。270度展望の風呂だった。
 あと2カ所ほど寄る予定だったが、全員グロッキーで終了。一路東京へ向かう。渋川インター手前で「しょうてん」という焼き肉屋に入る。どうやら上州牛というブランドをつくりたいらしく、その店も上州牛の店。なかなか良い肉だったが、えらく安い。一人あたり1700円。また来て下さいとサービス券をもらったが、群馬県だけのチェーン。いつ来られる事やら。渋滞もなく明るいうちに店に到着。
 店で5時半まですごし、バイクでルネこだいらへ。喜納昌吉ライブは全自由席だから、予想通り列はホールの外までのびている。会場と同時に列はホールに吸い込まれ、作戦通り一番前の扉から入る。日本人は一番前の列に座るのを嫌がる傾向があり、列の後ろの方から入ったのに、すんなり一番前の席をゲット。荷物をおいてロビーにでて知り合いを捜す。30名ほどに挨拶されて約半分思い出せる。
 白服姿の喜納昌吉と、思い思いの衣装のチャンプルーズが登場。3人のステージに、時折パーカッションや踊りを交えてステージは進む。語りが入るが、バリバリの沖縄弁だから、僕には半分しか理解できない。しかし会場の沸き上がりを見ると、かなり沖縄出身の人が来ているらしい。気楽な語りの中にちくりちくりと政治批判も入れている。
「昨年の11月、小渕さんから電話が来ましてね。『沖縄を語るなら喜納さんはずして考えられないから、サミットの時に歌って欲しい』っていうんですけれどね。『喜んで歌いますよ。でも基地は反対ですよ』って言ったら、電話かかってこなくなっちゃった」
沖縄の海と風と空、自然の流れを通奏低音のように敷き詰めて、琉球音階とロックの旋律をのせていく。ハイサイおじさんでは会場から20名ほどが上がって踊ったが、明らかにダウン症候群の中学生ぐらいの子供の踊りが、リズムも旋律も見事に飲み込んでいる。バンド特有のラストの「パタトン」にまで体をあわせるのには恐れ入った。花はなぜか女性ボーカルでイメージに残っているが、元祖のボーカルには味がある。叫び上げるような歌い方は空の高さを感じさせる。
 休憩時間無しの1時間半ステージ。熱くなったまま外にでる。まだいくらか涼しい夜空に向かって、「あ〜〜〜」と大きくつぶやいた。